酵素の働きを良くする生活習慣

酵素の働きを良くする生活習慣

普段から少食や腹八分を心がける

日頃から少食でいることは、健康と若さを保つ秘訣です。少食でいると、消化酵素の無駄遣いを防ぐことができ、代謝に酵素をまわせるようになるので、新陳代謝が活発になり、免疫力もアップしてきます。

 

実際アカゲザルをはじめとした動物を使った多くの実験において、適度な食事制限が病気を防ぎ、長寿と健康をもたらすことが分かっています。

 

また一生のうちに作られる体内の酵素の量には限りがあり、それが尽きてしまうと寿命を迎えることになると言われているため、食べ過ぎによる消化酵素の消耗を避けることが出来ればその分寿命が長くなります。

 

したがって、「腹八分」を心がけた少食は体の酵素の無駄遣いを防ぐための、最良の方法なのです。

生野菜や果物を積極的に摂るようにする

酵素の生産量は加齢と共に減っていき、40代に差しかかると急激に減少してしまいます。そのため、普段から新鮮な生野菜や果物に含まれる天然の食物酵素を摂ることで、まめに補ってあげることが老化の防止と健康維持のためには必要です。

 

しかも、生野菜や果物にはカロテンやアントシアニンなど、カロテノイド、ポリフェノールといったファイトケミカルと呼ばれる抗酸化物質が含まれていることがよく知られています。

 

特にキャベツや大根、ブロッコリーなどアブラナ科の野菜には、ファイトケミカルのほか、アスコルビン酸(ビタミンC)やα‐ロコフェロール(ビタミンE)といった抗酸化物質も多く含まれています。

 

ファイトケミカルにはマイナスイオンが存在しており、そのマイナスイオンは老化や病気の原因になる活性酸素を水にしてくれるため、ファイトケミカルが含まれた野菜や果物を摂ることは活性酸素の除去にもつながります。

 

また果物には酵素やファイトケミカルの他にも、果糖や良質の水、食物繊維といった成分が豊富に含まれています。

 

酵素研究の第一人者である鶴見隆史氏は、「果物こそ、人体の構造や機能から、私たち人間がすんなりと受け入れられる唯一の食物」だと述べています。

 

果物の果糖は太る原因になると思っている方がいるかもしれませんが、鶴見氏によれば果糖は砂糖(ショ糖)と違って「肥満、虫歯、歯槽膿漏、糖尿病などの原因になることや、免疫機能を傷つけることは」なく、「良質な糖分」なのだそうです。

 

もちろん果物や野菜だけではなく、肉や魚、卵など動物性の食品もある程度摂ることは必要ですが、普段から新鮮な野菜や果物を食べる機会が少ない方は、生の野菜や果物が持っている食物としての本来の重要性に目を向けてみても良いかもしれません。

酵素はすりおろすことで倍増する

特に大根やりんごなど、多くの野菜や果物は、すりおろすことで酵素の量を倍増することが出来ます。

 

また、ジューサーにかけたりするのも良いですが、高速のジューサーは摩擦熱によって酵素が壊れてしまう可能性があるので、使用する場合はスロージューサーを使うことをオススメします。

 

このように、酵素たっぷりの生野菜や果物を食生活に採り入れることも、体の健康のためにはとても大切なことです。

酵素たっぷりの生野菜や果物を食生活に採り入れる

低体温を避け、からだをよく温めるようにする

近頃は低体温の人が増えてきているといいますが、体温はたったの1度下がってしまうだけで、免疫力は30%近くも低下してしまうとされています。

 

また、低体温は体内を酸化させ、老化スピードを促進させるだけではなく、体温が35℃台になるとガン細胞がもっとも活発に増殖すると言われています。

 

実は酵素の働きも体温と大きく関わっています。酵素の活性は体外では44度から50度の間ですが、体内においては38度から40度で最も活性化します。そして免疫力と同じように、酵素のちからもたったの1度下がっただけで、50%も失われてしまうといいます。

 

そのため酵素のちからや免疫力を高めるには、普段から低体温を避けることがとても大切になってきます。

 

「カラスの行水」ではなく長めにお風呂に浸かって体の芯から温めたり、冷たい飲みものばかりを飲まず温かいお茶やスープなどを日頃から飲むようにしたりすることも、日頃から体温を高めて健康になる秘訣です。

酵素は眠っている時間に作られる

良質な睡眠を最低7~8時間

酵素は眠っている時間に作られるため、睡眠時間をきっちりと確保することは非常に大切な事です。

 

人間の生理リズムでは午後8時から午前4時までが吸収と代謝の時間になっています。その時間帯に、新しいを組織を作り出し、古くなった細胞を排泄し、細菌やウイルスなどを死滅させ、疲労物質とともに排除するなど、代謝に関わることを行っているのです。

 

翌日の代謝や消化に備え、必要な酵素もこの時間帯に作られていますが、起きている場合には、スムーズに酵素の生産は行われません。

 

そのため、午後8時に布団に入るのは難しいとしても、午前0時までには布団に入り、7~8時間の睡眠を毎日きちんと取ることが、酵素の働きを良くし、健康な生活を維持する秘訣なのです。

 

また、酵素の働きをよくする生活習慣は、正しいアンチエイジングや気持ちの良いダイエットにもつながっていくと思われます。

参考文献

新谷弘実 『病気にならない生き方 ミラクルエンザイムが寿命を決める』 サンマーク出版
新谷弘実 『病気にならない生き方2 実践編』 サンマーク出版

新谷弘実 『健康の結論 「胃腸は語る」ゴールド篇』 弘文堂

新谷弘実 『酵素力革命 若返り酵素「ニューザイム」を活性化させる生き方』 講談社
鶴見隆史 『「酵素」が免疫力を上げる! 病気にならない体を作る、酵素の力』 永岡書店
鶴見隆史 『酵素の謎――なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』 祥伝社

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