ここでは酵素とアンチエイジングの関係について述べています。酵素を効果的に採り入れる生活は、老化を防ぐアンチエイジングにつながります。
「酵素」という観点からアンチエイジングのために重要なことは、まず、体内酵素の消耗を避けるために、食べ過ぎに気をつけることだと思われます。
食べ過ぎによる肥満が寿命を短くするということは、昔からよく言われてきたことかもしれませんが、ファスティング(断食)によって時々空腹を感じることや、食事は腹八分に止める習慣は、老化を防ぐアンチエイジングのために必要になってくると考えられます。
また、本当のアンチエイジングを実現するためには、日頃の食事において、酵素がたっぷりと含まれた新鮮や野菜や果物、発酵食品などの食べ物を積極的に摂るようにすることも重要だと思われます。
しかし、特に酵素によって老化を防ぐためのアンチエイジングを実現するために問題になってくるのは、食べ過ぎや早食いの傾向によって、消化のためにカラダに負担をかけすぎてしまっていることだと思われます。
口から放り込まれた食べ物が、体内の消化酵素でも分解しきれないほどの量であると、小腸から吸収されず、腸内で消化不良を起こしてしまいます。
このことに関して、日本の酵素栄養学の第一人者である鶴見隆史氏は、糖質・タンパク質・脂質の三大栄養素が、摂りすぎによって消化不良を起こしてしまうと、腸内において「異常発酵」「腐敗」「酸敗」といった現象を起きて、腸内環境をいちじるしく悪化させてしまうと述べています。
鶴見氏はたとえば、『「酵素の謎」ーなぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』(祥伝社新書)という著作のなかで、
人間の生命活動のなかで、もっともエネルギーを使う消化という活動は、いったん消化不良を起こすと、消化酵素と代謝酵素が力を合わせても追いつけないほどハードなのです。その結果、腸内腐敗が起き、窒素残留物が出現、血液をドロドロにして、ありとあらゆる病気を作り出していくのです。
消化不良を起こす一番の原因は、過食という悪癖です。肉、魚、卵、牛乳などの動物性タンパク質の過食は特にリスキーです。過食を繰り返す肥満者が短命なのは、体内酵素の枯渇が早いからです。(鶴見隆史『「酵素の謎」ーなぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』p190~191)
としています。
さらに鶴見氏は、老化の原因として挙げられているものとして、「酸化ストレス」「テロメア説」「老化遺伝子説」を紹介していますが、
酸化も、テロメアも、遺伝子も、すべて酵素が関係していますが、もっとも大きな原因は酵素寿命説です。
一生に一定量しかない酵素が徐々に失われていくのが老化で、尽きる時が死を迎える時です。そのため、酵素の消費は絶対に避けなければならないのです。
と述べていることは傾聴に値します。
また、ファーストフードや加工食品・冷凍食品などにたくさん含まれている「白砂糖」や「トランス脂肪酸」、「食品添加物」なども、分解するのにたくさんの酵素が必要になるため、本当のアンチエイジングを実現するためには、なるべくそれらは避けた方が懸命だと思われます。
一方、消化を助ける酵素が最初から食物酵素として含まれている食材は、加熱されていない果物や野菜、発酵食品などです。これらの、食物酵素が含まれた生の食材を、毎日の食生活に採り入れることも、体内酵素の無駄遣いを防ぐアンチエイジング生活につながっていきます。
また、そのようなアンチエイジングのための生活習慣は、長寿遺伝子であるテロメアの短縮を防ぐことにも関係してくると思われます。