酵素はミトコンドリアの働きと非常に深い関係があります。
特にミトコンドリアと深く関わっている酵素は、「ATPアーゼ」「ATP合成酵素」などです。
ミトコンドリアは私たちの60兆個の細胞内に存在しており、日々、見えないところでエネルギー産生のために活躍しています。
そのミトコンドリアは、太古の昔、真核生物に好気性細菌がもぐりこむことによって誕生したといわれています。
そして、これまで糖をエネルギー産生ために利用していた生物は、ミトコンドリアによって酸素を利用することで、より多くのエネルギーを得られるようになったのです。そのため私たちが今、こうして生きていられるは「ミトコンドリア」のおかげだと言えます。
くり返しますが、実は私たちが多種多様な生命活動を行なえるようになったのは、ミトコンドリアが酸素や水素などを利用することで、(エネルギーを得られる速度は解糖系に劣りますが)その分、解糖系の何倍もの量のエネルギーを生み出せるようになったからなのです。
そのエネルギーとは、「ATP(アデノシン3リン酸)」と呼ばれています。このATPはエネルギー通貨として、からだのなかの様々な生命活動のために必要になります。
そのため、もしミトコンドリアの働きが鈍ってしまえば、その分、細胞の新陳代謝が鈍くなり、私たちの生命力や免疫力も低下してしまいます。
ちなみに、ATPを生み出すミトコンドリアのTCAと呼ばれる回路には、そのすべての反応に酵素が必要になってきます。そのため、ミトコンドリアを元気にするためには、体内の酵素を増やすことも重要です。
さらに細胞内に住むミトコンドリアの栄養は、腸から送られてくるため、腸内細菌の集まりである腸内フローラを改善することも、ミトコンドリアの働きに関係してきます。
もし腸内環境が悪化していれば、せっかく食物を摂っても、十分に栄養が体内に吸収されず、ミトコンドリアにも栄養が送られにくくなるのです。
反対に、もしミトコンドリアが元気になれば、新陳代謝が活性化し、免疫力も向上していきます。
また、ミトコンドリアは生命エネルギーを生み出す源であるため、ミトコンドリアが元気になると、そのぶん、細胞もイキイキと健康になり、体調も整ってきます。
そのため、ミトコンドリアの健康のためにも、普段から体内の酵素を増やすことが大切なのです。
加えて、ミトコンドリアは適度な有酸素運動を行うと増えるため、日頃からウォーキングや軽いジョギングを行うことも、ミトコンドリアの健康法として効果的です。
そのほか、ミトコンドリアを元気にするには、補酵素の役割を果たすコエンザイムQ10や、ケイ素(珪素)などが役立つとされています。