酵素の働きを阻害する物質

ここでは酵素の働きを阻害したり、大量に消耗させてしまったりする物質を取り上げています。酵素の働きを妨げる主な物質としては、ショ糖(砂糖)、食品添加物、西洋薬、酸化した油などです。また、脂肪に関しては近年はトランス脂肪酸などの油が問題になっています。(質の悪い油についてはこちらをご覧ください)。

ショ糖(二糖類)

ショ糖とは、一般的にお菓子や料理に使われている砂糖のことで、単糖である「ブドウ糖」と「果糖」が結びついた二糖類です。ブドウ糖と果糖は単糖類であるため、大事な栄養素として体内にスムーズに吸収されますが、この二つがショ糖として一度くっついてしまうと、簡単には切り離せないという大きな問題が生じてきてしまうのです。

 

糖質は単糖にならない限り、小腸から体内に吸収することが出来ません。そのため、消化酵素はどうにかして、くっついた二つを引き離そうとするのですが、その際に膨大な量の酵素が使われると言います。

 

また、それだけではなく、ショ糖は消化されずに腸内に残ると、腸内環境を悪化させてしまいます。そして悪玉菌や真菌(カビ)の栄養となり、これらを繁殖させてしまう原因にもなります。

 

さらに、消化されなかったショ糖によって腸内が悪化してしまうと、善玉菌は減少し、腸内腐敗がすすんでいきます。加えて、有害物質である窒素残留物も作られ、血液を汚してあらゆる病気を作り出すと言います。

 

しかもショ糖の過剰摂取は、健康な細胞をサビつかせて病気を引き起こす活性酸素までも発生させるそうですから、強烈な酵素阻害剤であることは間違いありません。したがって甘い物が好きな場合でも、酵素の大量消費を避けるためにショ糖(白砂糖など)が多く含まれた食品はなるべく控えたほうが賢明だと思われ ます。

西洋薬(抗生物質、鎮痛剤、胃薬など)

体の調子が悪かった時に、私たちが普段何気なく使っている西洋薬の中には、酵素の働きを阻害しているものがあるため、注意が必要です。

 

例えば、細菌の繁殖を防ぐ抗生物質は、細菌の膜の酵素を阻害することで、細菌を死滅させていますが、悪玉菌だけはなく善玉菌までをも殺してしまうと言います。そのため、長期にわたって服用すると、体には悪影響を与えてしまいます。

 

また頭痛や歯痛、生理痛などに使われる鎮痛剤も、長期間服用し続けると、胃潰瘍になったり、ひどい胃炎や胃痛に悩まされることがあります。

 

さらに、薬の中でも特に注意が必要なのは消化不良の際に飲まれる胃薬です。胃薬は胃の働きをストップさせるため、服用し続けると、消化のための胃酸の分泌が少なくなっていき、ますます消化不良を起こすという悪循環に陥ってしまいます。

 

消化不良が起こった場合は、腸内の腐敗や血液の汚れなどが生じてくるため、消化不良になった際には、胃薬を飲むのではなく、生野菜や果物など酵素をたっぷり含んだ食材で酵素を補充したり、半断食などを行って消化器官を休ませたりするのが良いと思われます。

 

人工的な構造式で出来ている薬はそもそも体にとっては異物であるため、効果のある強い薬ほど酵素抑制剤になりうることを覚えておく必要があるのです。

食品添加物

日本人は1年に食品添加物を4~8キロも口にしていると言われることがありますが、たくさんの食品添加物の中には、例えば発色剤や合成保存料、酸化防止剤など、国の基準では問題が無いとされていても発がん性が指摘されているものが存在しています。

 

これらの食品添加物はがんを引き起こす可能性があるだけではなく、酵素の働きを阻害します。また、分解のために大量の酵素を消費しなければなりません。

 

それに加え、酵素を変性させることでますます発がん性を高めたり、補酵素としてもミネラルの吸収を阻害したりするなど、酵素の働きに対して数多くの悪影響を与える報告がなされていると言われています。

 

そのため、酵素の消耗を防ぐためには、普段からだに影響はないと感じていても、食品のラベルの原材料名をこまめにチェックし、食品添加物をあまりに多く使われている食品を買うことはなるべく避けた方が良いと思われます。

参考文献

新谷弘実 『病気にならない生き方 ミラクルエンザイムが寿命を決める』 サンマーク出版
新谷弘実 『病気にならない生き方2 実践編』 サンマーク出版

新谷弘実 『健康の結論 「胃腸は語る」ゴールド篇』 弘文堂

鶴見隆史 『「酵素」が免疫力を上げる! 病気にならない体を作る、酵素の力』 永岡書店
鶴見隆史 『酵素の謎――なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』 祥伝社

安倍司 『食品の裏側 みんな大好き食品添加物』 東洋経済

山中裕美 『食品表示の罠』 筑摩書房

酵素の働きを阻害する物質―酵素免疫生活