消化のために大切な食物酵素

消化のために大切な食物酵素

食物酵素は消化のために非常に大切な役割を果たしています。

 

酵素には主に消化代謝の働きがあり、消化酵素は食物に含まれる三大栄養素の分解に、代謝酵素はからだの組織や器官の組み立てに使われています。

 

体内の酵素(潜在酵素)は加齢と共に減少していきますし、食べ過ぎの傾向によって消化酵素が多く使われてしまうと、それだけ潜在酵素は早く消耗してしまいます。

 

また、潜在酵素が消化ばかりに使われて代謝のほうにまわらなくなると、細胞の新陳代謝が鈍ってしまい、からだが不調に陥りやすくなったり、老化が早くなったりすることが考えられます。さらに生活習慣病をはじめとした病気になりやすくなるという問題も生じてきます。

 

そのため、酵素を外から補って体内酵素を増やしていく必要があるのですが、代謝のための酵素を直接体外から補充することは出来ません。代謝酵素は外から補充されたとしても胃腸内で分解されて壊れてしまうのです。

 

しかし生の野菜や果物、発酵食などに含まれている食物酵素は消化の働きをしますので、食べ物から消化酵素を補っていくことは可能です。

 

酵素栄養学の祖であるエドワード・ハウエル博士は、「自然はすべての生の食べ物のなかに、人間が消化しやすいように、最終的には人間の体外でも分解できるように、正しく、バランスのとれた大量の食物酵素を入れてくれている」と述べています。

 

例えば大根や山芋や生姜、りんごやパイナップルやバナナといった野菜や果物には消化酵素が豊富に含まれています。また酵母のちからによって作られた納豆や味噌、ぬか漬けなど、日本が誇る伝統食の発酵食品にも消化を助けてくれる酵素が含まれています。

 

これらの食物酵素が含まれた食材はどれも、体内に摂り入れた際、消化管に負担をかけないよう、あらかじめ消化されやすいようになっているのです。

 

ところが酵素は熱に弱い性質があり、48℃を超えると次第に壊れ始めていくため、加熱食や加工食品には食物酵素は含まれていません。

 

そのため、加熱食自体が悪いというわけではありませんが、加熱食や加工食品ばかりを摂っていると、消化酵素ばかりが浪費し、その一方で代謝のために酵素が使われないという事態に陥るため、なかなか体の代謝力がアップしていかないのです。肝心なのは消化ではなく「代謝」のほうに酵素が使われるようにするということなのです。

 

したがって、消化酵素の大量消費を防ぎ、代謝力を高めていくためにも、日頃から食物酵素が含まれた生の野菜や果物、発酵食などを食生活に採り入れることが大切になってきます。

 

体内に消化酵素が増えれば、そのぶん潜在酵素が消化酵素を浪費せずに済み、そのぶんを代謝のほうにまわせるようになるので、代謝力が高まり、新陳代謝が活性化していくというわけです。

 

ちなみに動物は生食によって酵素の浪費を防いでいます。例えばライオンやトラは草食動物の獲物を仕留めた後、最初に大量の消化酵素が混ざった草が入っている腸を最初に食べ、それから肉を食べるそうなのです。

 

なぜそのような行動をとるのかといえば、肉ばかりを食べている動物は消化酵素を補充することが生命維持につながることを知っているからだと考えられます。

消化酵素