酵素と腸内フローラ

酵素と腸内フローラ

酵素と腸内フローラのポイント

  • 人の腸に生息している腸内細菌の集まりのことを「腸内フローラ」と呼ぶが、酵素には腸内フローラの改善を助ける働きがある。
  • 免疫機能のほとんどが集中している腸は「腸管免疫」と呼ばれ、脳よりも先に作られた生命の源であり、免疫システムの最前線を担っている。
  • 小腸は免疫細胞の働きと直結しているため、酵素によって腸内フローラを改善することは、免疫力の向上に大きくつながる。

腸内フローラと深く関わる酵素

これまでヒトの腸には重さ約1.5kg、100種類・100兆個もの腸内細菌が棲息していると考えられてきましたが、近年、腸の内部を解析する技術の発達により、腸内細菌はおよそ500~1000種類も存在することが判明してきたと言われています。

また、腸内細菌の数も600~1000兆個にも及ぶと推定されるようになってきています。

 

その無数の腸内細菌の集まりの様子は、お花畑になぞらえて「腸内フローラ」(腸内細菌叢)と表現されています。

 

この「腸内フローラ」を形成している腸内細菌のバランスが、免疫力向上や健康維持、アレルギー症状の緩和などに大きく関わっているのです。

 

そして、腸内細菌自体が食べ物の消化・分解のために酵素を分泌していますし、体内に酵素が多いと、腸内環境を悪化させる「消化不良」が未然に防がれるので、腸内細菌の集まりである腸内フローラと酵素は深い関係があるのです。

 

ちなみに腸内細菌が群生している腸とは「第二の脳」であるといわれることがありますが、消化や吸収、免疫システムなどに関わっているため、からだの健康に関しては、実は「脳」よりも「腸」の方が最前線を担っています。

 

また、「腸管免疫」と呼ばれるほど、免疫機能の7割近くが小腸の粘膜である腸管に存在していることが明らかになってきています。

 

さらに、幸福感に関わる「セロトニン」や「ドーパミン」といった脳内物質の前駆体のほとんどは、腸で作られていることが知られています。

 

脳や肝臓、腎臓、膵臓といった主要臓器は、進化の途中で腸が発達したことにより出来たものであり、腸はもともと「生命の源」であったのです。

 

その腸の腸管には脊髄に匹敵するほどの神経細胞が張り巡らされており、腸管は消化・吸収作業の司令塔として働いています。また小腸の腸内には「腸絨毛」と呼ばれる無数の突起があり、そこが栄養吸収細胞として、栄養を吸収しています。

 

この腸絨毛は、小腸全体で約3000万本あるとされ、1本の腸絨毛は約5000個の栄養吸収細胞で覆われていると言われています。そのため、小腸全体では栄養吸収細胞が約1500億個存在していることになります。

 

その膨大な数の栄養吸収細胞が腸内の栄養を吸収しており、その栄養吸収細胞が存在している腸絨毛は、木に例えるならば根っ子になります。そして口から胃を通って運ばれてきた栄養が存在している腸内は土壌ということになります。

 

無数の栄養吸収細胞を抱えている、その土壌としての腸内が健全でなければ、養分を吸い取る役割を果たす根っ子はきちんと栄養をからだ全体に送り込むことは出 来ません。

 

もし栄養を供給するはずの土壌が腐敗していたら、根っ子だけではなく、幹や枝、葉が枯れてしまうのと同じように、人間のからだも体調不良や病気など様々な問題が生じてきてしまいます。

 

土壌としての腸内が腐敗して健全ではなくなるとは、体内に取り入れられた食べ物が胃や十二指腸で十分に消化されず、消化不良を起こし、その結果、大腸に食べ物の残留物や余剰物、停滞便などが溜まってしまう状態です。

 

そのため、普段から腸を大切にするとともに腸内フローラの改善を心がけることは、免疫力を大きく向上させます。

 

そして、食べ物を消化・分解する働きがある酵素が体内に増えれば増えるほど、胃や腸が食べ物を消化するのを助けることにつながるので、消化不良によって腸内環境が悪化し、腸内フローラのバランスが崩れるのを防ぐことになるのです。

酵素と腸内フローラ